2016年4月23日土曜日

堀江清孝君の論文が Phytochemistry Letters 誌に掲載.

ブログでの報告が遅れていましたが,この 3 月に博士の学位を取得して連合大学院を修了した堀江清孝君が筆頭著者の論文がヨーロッパ植物化学会の英文誌 Phytochemistry Letters の 2016 年 3 月号に掲載されました.

Horie, K., Sakai, K., Okugi, M., Toshima, H., and Hasegawa, M. (2016). Ultraviolet-induced amides and casbene diterpenoids from rice leaves. Phytochem. Lett. 15: 57–62.

この研究成果は堀江君の博士論文研究の一部ですが,卒業生の酒井健伍君と奥木美咲さんの卒業論文の成果も含まれています.

紫外線照射したイネ葉片に含まれる二次代謝産物を LC/MS を用いてプロファイリングし,従来はイネからは知られていなかった化合物 3 つを発見しました.一つはたの植物からはすでに単離が報告されている N-ベンゾイルチラミンでした.あとの 2 つはカスベン骨格を持つ新規ジテルペン化合物で.2013 年に本研究室の井上靖乃さんが報告したフィトアレキシンである ent-10-オキソデプレッシン の生合成前駆体と考えられるものでした.また,今回発見した化合物を含めて既知のイネフィトアレキシンの蓄積量といもち病菌に対する抗菌活性を再評価し,2 種類のアミド化合物(N-ベンゾイルトリプタミン,N-シナモイルトリプタミン)がいもち病菌に対するフィトアレキシンとして機能していることも明らかにしました.