本日は取手市立福祉会館で農学部サテライト公開授業が実施されました.私はトップバッターで「植物の化学的防御機構」というタイトルでフィトアレキシンなどの植物の有機化合物を用いた生存戦略の授業を行いました.そのあと,黒田先生の水質浄化の授業,久留主先生のバイオテクノロジーの授業,足立先生の動物看護学の授業が行われました.
最初はちょっと参加者の出足が鈍かったので心配しましたが,最終的には秋に水戸で行ったときよりも多くの参加者の皆さんに来ていただくことができて良かったと思います.
2010年1月31日日曜日
2010年1月22日金曜日
NMR 励磁 & デガッサ納入
本日,新 NMR の 400 MHz 超伝導マグネットが無事に励磁されました.昨日の一回目の励磁ではクエンチしてしまいましたが,二回目は成功してシグナルが問題なく検出されるようになりました.来週月曜日には液体窒素供給装置の設置が予定されていて,順調に進めば水曜日ぐらいから NMR 測定ができるようになりそうです.
また,研究室の HPLC のデガッサが一台壊れていたのですが,これの代わりの新デガッサが納入されました.HPLC では溶媒中に気体が溶けていると脈流やノイズの原因になるので,使用する溶媒を脱気する必要があります.使用前に超音波で脱気する方法もありますが,オンラインで脱気できるデガッサを使うこともできます.私が大学院生の頃に買って二十年近く使ったものなので,もはや交換部品もなく修理不能ということで,やむなく新品の購入になりました.新デガッサは旧デガッサよりもサイズが小さいので配置を変えて使うことになりました.
また,研究室の HPLC のデガッサが一台壊れていたのですが,これの代わりの新デガッサが納入されました.HPLC では溶媒中に気体が溶けていると脈流やノイズの原因になるので,使用する溶媒を脱気する必要があります.使用前に超音波で脱気する方法もありますが,オンラインで脱気できるデガッサを使うこともできます.私が大学院生の頃に買って二十年近く使ったものなので,もはや交換部品もなく修理不能ということで,やむなく新品の購入になりました.新デガッサは旧デガッサよりもサイズが小さいので配置を変えて使うことになりました.
以前の配置(上から,UV検出器,ポンプ,溶媒切替器,デガッサ)
新配置(上から,デガッサ,溶媒切替器,ポンプ,UV検出器)
2010年1月20日水曜日
研究室セミナー
今日の文献紹介は博士課程の湯本賢一さんの担当で,紹介した論文は Wim L. Noorduin, Arno A. C. Bode, Maarten van der Meijden, Hugo Meekes, Albert F. van Etteger, Willem J. P. van Enckevort, Peter C. M. Christianen, Bernard Kaptein, Richard M. Kellogg, Theo Rasing & Elias Vlieg, Complete chiral symmetry breaking of an amino acid derivative directed by circularly polarized light. Nature Chemistry 1, 729-732 (2009) でした.
今回で今年度の外書購読ゼミは終了です.
今回で今年度の外書購読ゼミは終了です.
2010年1月18日月曜日
新 NMR 搬入・設置
今日は新しい NMR の搬入と設置作業が行われました.新しい NMR はブルカー・バイオスピン社の AVANCE III 400 という機種です.プロトン共鳴周波数 400 MHz なので,以前の 500 MHz よりも磁場強度は小さくなるのですが,この十数年の技術の進歩により,以前の 500 MHz よりも今度の 400 MHz の方が感度も高いはずです.また,以前の装置は磁場勾配パルスが使えなかったのでインバース測定(HMBC, HSQC など)がやりにくかったのですが,今度の装置はこれらの二次元測定が格段にやりやすくなるので,有機化合物の構造解析の効率が格段に良くなると期待しています.
今日のところは一通りの設置が終了しただけで,実際に使えるようになるまでには,磁石の励磁や各種調整などで,あと十日から二週間ぐらいかかるそうです.
今日のところは一通りの設置が終了しただけで,実際に使えるようになるまでには,磁石の励磁や各種調整などで,あと十日から二週間ぐらいかかるそうです.
姿を現した 400 MHz 超伝導磁石(スイス製らしい)
今日のところはここまで
2010年1月15日金曜日
NMR 測定室,GCMS 測定室掃除
今日は昨日古い機械を廃棄したあとの NMR 測定室と GCMS 測定室の掃除をしました.GCMS 測定室は不要なものを選別して捨てる作業をして,NMR 測定室は床清掃とワックスがけをしました.GCMS 測定室の床清掃は来週の課題です.
NMR 測定室の床清掃中の学生さんたち
2010年1月14日木曜日
NMR, LC-MS/MS, GC-MS 廃棄
昨日は NMR の消磁作業が行われましたが,今日は廃棄業者の方たちが NMR(日本電子 α 500),LC-MS/MS(アプライドバイオシステムズ API300),GC-MS(バリアン Saturn 2000R)を引き取っていってくれました.
この中ではやはり NMR の 500 MHz 超伝導マグネットが大物(数百キログラムの重量があるようです)で,櫓のようなものをくんでつり下げてマグネットと台を分離して運んでいました.
これで来週の新 NMR の納入,来月末の新 LC-MS/MS の納入を待つばかりになりましたが,その前に明日は部屋の掃除をする予定です.
この中ではやはり NMR の 500 MHz 超伝導マグネットが大物(数百キログラムの重量があるようです)で,櫓のようなものをくんでつり下げてマグネットと台を分離して運んでいました.
これで来週の新 NMR の納入,来月末の新 LC-MS/MS の納入を待つばかりになりましたが,その前に明日は部屋の掃除をする予定です.
マグネットつり上げ中
マグネットがなくなってガランとしてしまった NMR 測定室(汚い)
2010年1月13日水曜日
NMR 消磁
茨城大学農学部では平成 4 年納入の 500 MHz NMR 日本電子 α500 を 17 年間使ってきました.私が平成 10 年に茨城大学に赴任してからも十年以上使ってきた NMR だったのですが,今年やっと新しい装置に更新できることになりました.α500 は,古い DEC のワークステーションの故障などで悩まされましたが,概ね順調に使うことができた装置でした.
新しい装置はブルカー・バイオスピンという本社はドイツにあるメーカーの 400 MHz のもので,来週納入予定です.
新装置の納入に先立って,今日はブルカー・バイオスピンの技術者の方たちに旧装置の超伝導磁石の消磁作業をやっていただきました.
NMR の超伝導磁石は液体ヘリウムで冷却することによって超伝導状態を維持しているわけですが,超伝導状態が破れると電気抵抗が生じるので,これによって発生した熱で一気に液体ヘリウムが蒸発します.これはクエンチと言って,普通に NMR を使っているときは起こってはいけないことなのですが,今回は意図的に磁石をクエンチさせたことになります.
クエンチした磁石と NMR の分光計本体などは明日廃棄業者に引き取ってもらう予定です.
話は変わりますが,先週ブログに書いた GC-MS の故障は,今日,日本電子の技術者の人に見てもらったら,ビスが緩んでいただけだったので,すぐに直りました.あまり高額な修理代も取られなさそうで,助かりました.
新しい装置はブルカー・バイオスピンという本社はドイツにあるメーカーの 400 MHz のもので,来週納入予定です.
新装置の納入に先立って,今日はブルカー・バイオスピンの技術者の方たちに旧装置の超伝導磁石の消磁作業をやっていただきました.
NMR の超伝導磁石は液体ヘリウムで冷却することによって超伝導状態を維持しているわけですが,超伝導状態が破れると電気抵抗が生じるので,これによって発生した熱で一気に液体ヘリウムが蒸発します.これはクエンチと言って,普通に NMR を使っているときは起こってはいけないことなのですが,今回は意図的に磁石をクエンチさせたことになります.
クエンチした磁石と NMR の分光計本体などは明日廃棄業者に引き取ってもらう予定です.
話は変わりますが,先週ブログに書いた GC-MS の故障は,今日,日本電子の技術者の人に見てもらったら,ビスが緩んでいただけだったので,すぐに直りました.あまり高額な修理代も取られなさそうで,助かりました.
クエンチしてヘリウムを吹き出す超伝導磁石(Oxford 社製 500 MHz)
動画はこちら
2010年1月11日月曜日
Molecules That Changed the World
Amazon のおすすめ商品で提示された K.C. Nicolaou & T. Montagnon 著 “Molecules That Changed the World” という本が面白そうなので買ってみました.
内容は,有機化学を勉強している学生や研究者向けの絵本という感じです.社会的にインパクトの大きい化合物(医薬関連化合物が多い)の発見と合成について,それに関わった研究者たちの仕事を豊富な写真と図で説明しています.非常にたくさんの歴史的研究者と現役研究者(日本人も)が出てきていて,すべて写真で紹介されています.著者の一人の Nicolaou 教授は天然物全合成で著名な化学者なので,有機合成に重きが置かれています.まだパラパラとしか見ていませんが,英語は読みやすく,学生向けの化学英語勉強用教材としても使えそうです.
欠点は,大判(A4より一回り大きい)のハードカバーで横開きなので,机の上に置いた状態でないと読みにくいという点です.
内容は,有機化学を勉強している学生や研究者向けの絵本という感じです.社会的にインパクトの大きい化合物(医薬関連化合物が多い)の発見と合成について,それに関わった研究者たちの仕事を豊富な写真と図で説明しています.非常にたくさんの歴史的研究者と現役研究者(日本人も)が出てきていて,すべて写真で紹介されています.著者の一人の Nicolaou 教授は天然物全合成で著名な化学者なので,有機合成に重きが置かれています.まだパラパラとしか見ていませんが,英語は読みやすく,学生向けの化学英語勉強用教材としても使えそうです.
欠点は,大判(A4より一回り大きい)のハードカバーで横開きなので,机の上に置いた状態でないと読みにくいという点です.
パリトキシンの章を開いたところ.上は同時に買った “Molecules and Medicine”.
2010年1月8日金曜日
GCmate II 故障
日本電子の GC-MS,GCmate II がまた故障してしまいました.高分解能質量測定をするために,スリットを絞った設定で測定をしようとしても,コレクタースリットというスリットが全く動いていない状態になってしまいました.おそらく低分解能測定時の状態で開きっぱなしになっているので,他のスリット(メインスリットとアルファスリット)を絞ってもあまり分解能が上がりません.分解能設定を切り替えるときのスリットの動作音がいつもと違うので,機械的に何かおかしくなってしまったようです.
通常の GC-MS として低分解能測定をするだけならば大丈夫ですが,この状態では,分子式を推定するための高分解能測定が全くできないので,日本電子に修理を依頼することになりました.
通常の GC-MS として低分解能測定をするだけならば大丈夫ですが,この状態では,分子式を推定するための高分解能測定が全くできないので,日本電子に修理を依頼することになりました.
2010年1月7日木曜日
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