2010年1月13日水曜日

NMR 消磁

茨城大学農学部では平成 4 年納入の 500 MHz NMR 日本電子 α500 を 17 年間使ってきました.私が平成 10 年に茨城大学に赴任してからも十年以上使ってきた NMR だったのですが,今年やっと新しい装置に更新できることになりました.α500 は,古い DEC のワークステーションの故障などで悩まされましたが,概ね順調に使うことができた装置でした.

新しい装置はブルカー・バイオスピンという本社はドイツにあるメーカーの 400 MHz のもので,来週納入予定です.

新装置の納入に先立って,今日はブルカー・バイオスピンの技術者の方たちに旧装置の超伝導磁石の消磁作業をやっていただきました.

NMR の超伝導磁石は液体ヘリウムで冷却することによって超伝導状態を維持しているわけですが,超伝導状態が破れると電気抵抗が生じるので,これによって発生した熱で一気に液体ヘリウムが蒸発します.これはクエンチと言って,普通に NMR を使っているときは起こってはいけないことなのですが,今回は意図的に磁石をクエンチさせたことになります.

クエンチした磁石と NMR の分光計本体などは明日廃棄業者に引き取ってもらう予定です.

話は変わりますが,先週ブログに書いた GC-MS の故障は,今日,日本電子の技術者の人に見てもらったら,ビスが緩んでいただけだったので,すぐに直りました.あまり高額な修理代も取られなさそうで,助かりました.

NMR.O02j38ihliml.jpg


クエンチしてヘリウムを吹き出す超伝導磁石(Oxford 社製 500 MHz)


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