2012年10月26日金曜日

今週の輪読

今週の輪読では下記の論文を取り上げました.

184. Cragg, G.M., Katz, F., Newman, D.J., and Rosenthal, J. The impact of the United Nations Convention on Biological Diversity on natural products research. Nat. Prod. Rep. in press.
185. Smolinska, A., Blanchet, L., Buydens, L.M.C., and Wijmenga, S.S. (2012). NMR and pattern recognition methods in metabolomics: From data acquisition to biomarker discovery: A review. Anal. Chim. Acta 750: 82–97.
186. Cabot, C., Gallego, B., Martos, S., Barceló, J., and Poschenrieder, C. Signal cross talk in Arabidopsis exposed to cadmium, silicon, and Botrytis cinerea. Planta in press.
187. Mosher, S. et al. The tyrosine-sulfated peptide receptors PSKR1 and PSY1R modify Arabidopsis immunity to biotrophic and necrotrophic pathogens in an antagonistic manner. Plant J. in press.
188. Liu, S. et al. A soybean cyst nematode resistance gene points to a new mechanism of plant resistance to pathogens. Nature in press.

2012年10月25日木曜日

研究室セミナー

本日の研究室セミナーの文献紹介の担当は化学生態学研究室修士 2 年の山口君で,紹介した論文は Ueda, N., Kojima, M., Suzuki, K., and Sakakibara, H. (2012). Agrobacterium tumefaciens tumor morphology root plastid localization and preferential usage of hydroxylated prenyl donor is important for efficient gall formation. Plant Physiol. 159: 1064–1072 でした.Agrobacterium tumefaciens のゴール形成に関与するサイトカイニン生合成酵素が水酸化プレニル基を基質として用いていることを報告している論文です.

2012年10月19日金曜日

今週の輪読

今週の輪読では下記の論文を取り上げました.

179. Liu, G. et al. Alterations of mitochondrial protein assembly and jasmonic acid biosynthesis pathway in HL-Type CMS rice. J. Biol. Chem. in press.
180. Sánchez-Vallet, A. et al. Disruption of abscisic acid signalling constitutively activates Arabidopsis resistance to the necrotrophic fungus Plectosphaerella cucumerina. Plant Physiol. in press.
181. Chen, J., Chen, Q., and Chen, Z. Enhancing sensitivity of liquid chromatographic/ion-trap mass spectrometric determination of jasmonic acid by derivatization with N,N´-dicyclohexylcarbodiimide. Analyst in press.
182. Noutoshi, Y., Jikumaru, Y., Kamiya, Y., and Shirasu, K. (2012). ImprimatinC1, a novel plant immune-priming compound, functions as a partial agonist of salicylic acid. Sci. Rep. 2: 705.
183. Hoye, T.R., Baire, B., Niu, D., Willoughby, P.H., and Woods, B.P. (2012). The hexadehydro-Diels–Alder reaction. Nature 490: 208–212.

2012年10月18日木曜日

研究室セミナー

今週からセミナーでの文献紹介が再会されました.今週の担当は修士 2 年の大山君で,紹介した論文は Liu, L. et al. (2012). FTIP1 Is an Essential Regulator Required for Florigen Transport. PLoS Biology 10: e1001313 でした.フロリゲン(FT タンパク質)輸送に関与するタンパク質についての論文です.

2012年10月12日金曜日

研究室中間発表会,今週の輪読

先週と今週の木曜日には生物制御化学・化学生態学研究室合同で中間発表会を行いました.残念ながら,私は先週の中間発表会にはブルカーのユーザーズミーティングに出張していたため参加できませんでした.生物制御化学研究室では二年前までは中間発表会はいつも年末にやっていたのですが,年末では「中間」というには遅過ぎるということになり,昨年は 11 月に拓かれました.今年はさらに早めて 10 月開催となったのです.時期的には確かに中間なのですが,昨今の就職活動の長期化の影響などもあり,特に四年生にとっては中間発表するネタがほとんどなくて苦しい発表になったのではないかと思います.しかし,案外アッと言う間に卒論を仕上げなければいけない時期になるので,卒論発表までには良い結果が得られるように頑張ってもらいたいと思います.

 今週の輪読では下記の論文を取り上げました.

175. Bhattacharya, A. et al. (2012). Characterization of the fungal gibberellin desaturase as a 2-oxoglutarate-dependent dioxygenase and its utilization for enhancing plant growth. Plant Physiol. 160: 837–845.
176. Hara, S., Isoda, R., Tahvanainen, T., and Hashidoko, Y. (2012). Trace amounts of furan-2-carboxylic acids determine the quality of solid agar plates for bacterial culture. PLoS ONE 7: e41142.
177. Huang, X. et al. A map of rice genome variation reveals the origin of cultivated rice. Nature in press.
178. Citron, C.A., Rabe, P., and Dickschat, J.S. The scent of bacteria: headspace analysis for the discovery of natural products. J. Nat. Prod. in press.

2012年10月5日金曜日

NMR ユーザーズミーティング,GC/MS 修理,今週の輪読

昨日,長谷川は東京コンファレンスセンター・品川で開催されたブルカー・バイオスピン NMR ユーザーズミーティングに参加してきました.昨年に聞き続き 2 回目の参加ですが,今回印象に残ったのは二次元以上の多次元 NMR の測定時間を劇的に短縮する(もしくは同等の測定時間で分解能を向上させる)Non-Uniform Sampling (NUS) という技術の紹介でした.話を聞くかぎりは何やら魔法のように素晴らしい技術で,ちょっとごまかされているのではないかという気さえしました.これを使うためには,現在,我々が使っているソフトウェアは TopSpin Ver. 2.1 なのですが,これを Ver. 3.x にバージョンアップする必要があるようです.TopSpin Ver. 3.x はいろいろ Ver. 2.x より改良されている部分もあるのですが,敢えてバージョンアップする理由は今まではなく,バージョンアップの検討はしていませんでした.この話を聞いて,先立つものさえあればバージョンアップを検討してみようかなという気になりました.

 私が出張で留守にしている間に,故障中の GC/MS の修理(ターボポンプの交換)を JEOL のエンジニアの方がしてくれました.大学に戻ってから確認したところ,真空度も使えるレベルまで上がっていて,標準物質の PFK のピークも出ていたので,これでとりあえず使える状態になったと思います.もう少し様子を見る必要がありますが,これで問題なければ,当初想定していたよりも費用がかからずに済んで助かりました 

今週の輪読では下記の論文を取り上げました.

170. Charles, C. et al. (2012). Measurement of the influence of flavonoids on DNA repair kinetics using the comet assay. Food Chem. 135: 2974–2981.
171. Zhou, K. et al. Functional characterization of wheat ent-kaurene(-like) synthases indicates continuing evolution of labdane-related diterpenoid metabolism in the cereals. Phytochemistry in press.
172. Wu, Y. et al. Functional characterization of wheat copalyl diphosphate synthases sheds light on the early evolution of labdane-related diterpenoid metabolism in the cereals. Phytochemistry in press.
173. Matsushita, A. et al. The nuclear ubiquitin proteasome degradation affects WRKY45 function in the rice defense program. Plant J. in press.
174. Qin, X. et al. Gibberellin 20-oxidase gene, OsGA20ox3 regulates plant stature and disease development in rice. Mol. Plant Microbe Interact. in press.

2012年10月1日月曜日

LC/MS/MS,GC/MS が相次いでトラブル

LC/MS/MS(AB SCIEX 3200QTRAP)と GC/MS(JEOL GCmateII)が立て続けにトラブルになり,今日どちらの装置もメーカーのエンジニアの方達に見てもらいました.

LC/MS/MS は今月の初めに停電があったときに真空を落としたので,ついでにインターフェース部の清掃を長谷川がやったのですが,それ以降特定の化合物での MRM 測定に問題が生じてしまいました.全く問題のない化合物もあったので,非常に不思議で,とりあえず,うまくいかない化合物について,もう一度測定条件の最適化をやってみようということになりました.しかし,測定条件の最適化の途中でのプロダクトイオンスキャンでうまくピークが出ない状態になってしまいました.不思議なことに Q1 MS スキャンのあとのプロダクトイオンスキャンは必ずうまくいかないのに,一度 EPI や EMS の後にプロダクトイオンスキャンをやるとうまくいくという状態になっていました.しかし,プロダクトイオンスキャンがうまくいっている時には Q1 MS スキャンがうまくいかなくなります.これも EPI や EMS のトラップを使った測定を挟むとまたうまくいくスキャンが逆転します.一方,EPI,EMS,Q3 MS スキャンはいつでもうまくいきました.非常に不思議な現象で,こちらでは何とも対処のしようがなかったので,AB SCIEX に対応をお願いして,今日修理に来てもらったのです.

結果としては,オリフィスの汚れがトラブルの原因だったようです.私が停電後にオリフィスを清掃したときはスワブという大きな綿棒の形をしたスポンジみたいなもので拭いただけだったのですが,これでは汚れが落ちきれていなかったようで,メタノールをしみ込ませたキムワイプで拭いたら直ってしまったそうです.しかし,上述の不思議な現象がこれでなぜ起こったのかは良く分かりませんでした.とにかく,高額な部品の交換は必要とせずに作業費だけで修理が済んだので良かったです.作業費もなかなか高いので自力で直せれば良かったのですが,あまりに変な現象だったため,もう一度クリーニングをやってみようとは思わなかったのが敗因です.

GC/MS は先週他研究室の学生さんが測定しようとしたときに装置の真空度が落ちていて,再立ち上げを何度か試みても立ち上がらないという状態になってしまいました.これも今日 JEOL のエンジニアの方に見てもらったところ,ターボ分子ポンプが一台回転していないということが分かりました.もう 8 年ぐらい動いているターボ分子ポンプなので,寿命と言って良いと思います.修理のためにはポンプの交換が必要となり,現在は JEOL からの連絡待ちですが,かなり高額な修理費が予想されるので,非常に困っています.