2012年10月1日月曜日

LC/MS/MS,GC/MS が相次いでトラブル

LC/MS/MS(AB SCIEX 3200QTRAP)と GC/MS(JEOL GCmateII)が立て続けにトラブルになり,今日どちらの装置もメーカーのエンジニアの方達に見てもらいました.

LC/MS/MS は今月の初めに停電があったときに真空を落としたので,ついでにインターフェース部の清掃を長谷川がやったのですが,それ以降特定の化合物での MRM 測定に問題が生じてしまいました.全く問題のない化合物もあったので,非常に不思議で,とりあえず,うまくいかない化合物について,もう一度測定条件の最適化をやってみようということになりました.しかし,測定条件の最適化の途中でのプロダクトイオンスキャンでうまくピークが出ない状態になってしまいました.不思議なことに Q1 MS スキャンのあとのプロダクトイオンスキャンは必ずうまくいかないのに,一度 EPI や EMS の後にプロダクトイオンスキャンをやるとうまくいくという状態になっていました.しかし,プロダクトイオンスキャンがうまくいっている時には Q1 MS スキャンがうまくいかなくなります.これも EPI や EMS のトラップを使った測定を挟むとまたうまくいくスキャンが逆転します.一方,EPI,EMS,Q3 MS スキャンはいつでもうまくいきました.非常に不思議な現象で,こちらでは何とも対処のしようがなかったので,AB SCIEX に対応をお願いして,今日修理に来てもらったのです.

結果としては,オリフィスの汚れがトラブルの原因だったようです.私が停電後にオリフィスを清掃したときはスワブという大きな綿棒の形をしたスポンジみたいなもので拭いただけだったのですが,これでは汚れが落ちきれていなかったようで,メタノールをしみ込ませたキムワイプで拭いたら直ってしまったそうです.しかし,上述の不思議な現象がこれでなぜ起こったのかは良く分かりませんでした.とにかく,高額な部品の交換は必要とせずに作業費だけで修理が済んだので良かったです.作業費もなかなか高いので自力で直せれば良かったのですが,あまりに変な現象だったため,もう一度クリーニングをやってみようとは思わなかったのが敗因です.

GC/MS は先週他研究室の学生さんが測定しようとしたときに装置の真空度が落ちていて,再立ち上げを何度か試みても立ち上がらないという状態になってしまいました.これも今日 JEOL のエンジニアの方に見てもらったところ,ターボ分子ポンプが一台回転していないということが分かりました.もう 8 年ぐらい動いているターボ分子ポンプなので,寿命と言って良いと思います.修理のためにはポンプの交換が必要となり,現在は JEOL からの連絡待ちですが,かなり高額な修理費が予想されるので,非常に困っています.