2011年12月28日水曜日

仕事納め

今日で大学は仕事納めで,来年の仕事始めは 1/4 になります(授業は 1/6 から).この一年は何と言っても東日本大震災が最大の出来事でした.幸い,生物制御化学研究室の被害は軽微でしたが,茨城大学全体の被害はかなり大きく,まだ研究棟の補修工事が続いています.


研究室で今年あった良いことは,博士課程の井坂君と修士課程の今井君の二人の学生さんが筆頭著者の論文を出すことができたことだと思います.毎年少なくとも一人ぐらいは在学中の学生さんに筆頭著者論文を出して欲しいと思うのですが,実際にはなかなかこれが達成できません.今井君の論文掲載予定は来年ですが,今年二報が受理されたというのは非常に良かったです.


特に井坂君は学位取得のためにはもう後のない状態での論文掲載決定だったので,やれやれ良かったという感じです.とは言っても,重要な学位論文審査会が来年一月に控えているので,これからも気を引き締めてしっかりやっていただきたいと思います.他の学生さんたちも,修論・卒論,大学院の二次試験,授業の期末試験などに向けて是非頑張って欲しいと思います.

2011年12月22日木曜日

研究室セミナー & LC/MS/MS メンテナンス

昨日の研究室セミナーの論文紹介は四年生の佐々木君の担当で,紹介した論文は Jun Shimokawa, Takaaki Harada, Satoshi Yokoshima, and Tohru Fukuyama, Total Synthesis of Gelsemoxonine. J. Am. Chem. Soc., 133(44), 17634-17637 (2011) でした.ゲルセミウム・エレガンスから単離された複雑な骨格を持つアルカロイド gelsemoxonine 全合成の論文です.

昨日と一昨日の二日間,AB SCIEX エンジニアによる3200 QTRAP のメンテナンスと点検作業が行われました.この LC/MS/MS も納入後二年近く高頻度に利用されてきたので,メンテナンスを依頼しました.ユーザーはインターフェースと MS 入口のところまでしか洗浄できないのですが,今回は内部の四重極まで洗浄作業をやってくれました.作業後の性能チェックも良好だったので,現在は LC/MS/MS は非常に良い状態で使えるようになっているはずです.

大学は今日で授業終了で,明日から 1/5 までが冬期休業です.研究室は 12/28 まで通常通り営業です.

2011年12月15日木曜日

研究室セミナー

昨日の研究室セミナーの論文紹介は修士課程の井上さんの担当で,紹介した論文は Christopher M. Ranger, Rudolph E. Winter, Ajay P. Singh, Michael E. Reding, Jonathan M. Frantz, James C. Locke, and Charles R. Krause, Rare excitatory amino acid from flowers of zonal geranium responsible for paralyzing the Japanese beetle. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 108(4), 1217-1221 (2011) でした.マメコガネに麻痺を引き起こす物質をゼラニウム花弁から単離し,それをキスカル酸というアミノ酸であると同定した論文です.

今年の研究室セミナーは来週あと一回ありますが,明日は生物制御化学研究室・化学生態学研究室合同での忘年会が「たじま」で開催されます.

2011年12月8日木曜日

化学実験基礎

昨日は水戸キャンパスの理学部化学実験室で鈴木先生と私が担当する教養の実験科目「化学実験基礎」が開催されました.パートナーは上妻先生,太田先生,鈴木先生と変わっていますが,私は数年前から続けて担当しています.ジャガイモからデンプンを取り出して,その性質を調べるという高校でも行われるような簡単な実験ですが,対象が高校ではあまり実験の経験がない学生さんということですので,毎年この内容で行っています.


今年の実験の参加者は 16 名とあまり多くありませんでしたが,皆さん真面目に実験に取り組んでくれて,結果もまずまずだったと思われます.ティーチングアシスタントとして手伝ってもらった生物制御化学研究室の井上さんと化学生態学研究室の田中君の貢献もありました.


この科目は理工農学部の教員が協力して行ってきましたが,来年度からは理学部の先生方だけで実施してもらえる予定になっています.私の担当も今年で最後となるはずです.


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2011年12月6日火曜日

研究室セミナー

本日の研究室セミナーの論文紹介は化学生態学研究室修士課程の田中君の担当で,紹介した論文は Leonardo Bruno, Antonella Muto, Natasha D. Spadafora, Domenico Iaria, Adriana Chiappetta, Mieke Van Lijsebettens and Maria B. Bitonti, Multi-probe in situ hybridization to whole mount Arabidopsis seedlings. Int. J. Dev. Biol. 55: 197-203 (2011) でした.複数のプローブを同時に使って in situ ハイブリダイゼーションを行う手法の植物への適用についての論文です.

2011年12月1日木曜日

研究室セミナー & 実験室の壁補修工事

昨日の研究室セミナーの論文紹介は修士課程の大山君の担当で,紹介した論文は Ken-ichiro Taoka, Izuru Ohki, Hiroyuki Tsuji, Kyoko Furuita, Kokoro Hayashi, Tomoko Yanase, Midori Yamaguchi, Chika Nakashima, Yekti Asih Purwestri, Shojiro Tamaki, Yuka Ogaki, Chihiro Shimada, Atsushi Nakagawa, Chojiro Kojima & Ko Shimamoto, 14-3-3 proteins act as intracellular receptors for rice Hd3a florigen. Nature, 476, 332-335 (2011) でした.14-3-3 タンパク質がイネのフロリゲン(花成ホルモン)である Hd3a タンパク質の細胞内受容体として働いていることを報告した論文です.

また,本日から実験室の方の内壁補修工事が始まりました.先週までは教員室などのある県道側の部屋を工事したのですが,今週からは東京医大側の工事です.学生さんたちは机が使えなくなってしまったので,しばらく不便を強いられることになりました.内壁だけでなく,研究棟の外壁工事も進行中で,私の部屋の外ではここ数日発電機が動いていてとてもうるさい状態です.