だましだまし使っていた GC-MS ですが,やはり感度が非常に悪く,ちょっと使い物になりそうにないので,もう一度イオン源を取り出してみました.すると,イオン化室のスリットが見事に曲がっているということが判明しました.どうも,正しい位置に入っていないところで組み立ててしまったので曲がってしまったようです.仕方がないので,無理矢理まっすぐにしてもう一度組み立て直しました.
これで回復するかと思ったのですが,今度はエミッション電流が妙に高くなってしまって,やはり感度が出ませんでした.日本電子データムのサポートセンターに電話していろいろ相談してから,またイオン源を出して調べてみることにしました.
サポートセンターの人の話では GC のキャピラリーカラムが出過ぎていても電子ビームの流れが妨げられてそのような症状になるという話だったので,カラムの位置を確かめると案の定出過ぎていました.今度はこれが原因で感度が出ていなかったようです.
これを修正すると,感度は何とかイオン源洗浄前の状態に戻りました.終わってみれば,うまくいかなかった原因はすべて私の不注意なのですが,たまにしかやらないメンテナンスで,いろいろ注意しなければいけない点が多いと,なかなか手際良くはできないものです.
機械をきちんとメンテナンスして動かすということは研究のベースとしては大変重要なことなのですが,この年末年始はそればっかりに振り回されている感じです.NMR のロックレシーバーのエラーもまたいつ出てもおかしくないような状況で,新年は日本電子データムのコールセンターに昨日は NMR,今日は MS という感じで毎日のように電話をかけている状態です.私のあまり多くない経験からすると,日本電子データムのサポートは国内メーカーとしてはかなり良い方だと思いますので,結構助かっています.