元九州沖縄農業研究センターの菅野紘男博士との共同研究成果が日本応用動物昆虫学会の英文誌 Applied Entomology and Zoology に受理されたとの連絡をもらいました.この研究は菅野さんが数年前本研究室に共同研究員として滞在された時に行われたものです.
セジロウンカの加害によって,イネにいもち病菌に対する抵抗性が誘導されるという興味深い現象を菅野さんたちが発見していたのですが,その抵抗性にジャスモン酸やサリチル酸,フィトアレキシンの蓄積が関与しているのではないかと考え,それらの定量を行ったものが今回の論文です.結果としては,ジャスモン酸やサリチル酸の内生量の増加,フィトアレキシンの蓄積がセジロウンカ加害によって引き起こされることが明らかとなりました.昆虫加害によるフィトアレキシンの蓄積については全く報告がないわけではないのですが,報告例は少なく,イネのフィトアレキシンについては病原菌以外の生物による誘導の確認は初めてだと思います.