2008年12月17日水曜日

アセトニトリル

アセトニトリル(通称アセニト)は逆相 HPLC の溶媒としては非常にポピュラーな溶媒で,HPLC を使っている研究室ならば,ほぼどこでもコンスタントに消費している溶媒だと思います.

このアセトニトリルが世界的供給不足に陥っているようで,もう購入が困難になっているということを今日試薬屋さんから聞きました.この件,実は C&EN の 11/24 の号で読んで知っていたのですが,そのときは「ふーん」と思う程度で,ここまで深刻とは思っていませんでした.おそらく,ニュースが流れたせいで,買い占めに走ったところが結構出たので,更に品不足が深刻化したのでしょう.

もともとアセトニトリルを作っているところが少なく(世界で二カ所らしい),ここでもアセトニトリルはアクリロニトリルの副産物として作っているのだそうです.アクリロニトリルは自動車などで使われる ABS 樹脂の原料なのですが,世界的不況で需要が減少し,アクリロニトリルが減産になってしまった結果,アセトニトリルも生産されなくなるという,風が吹けば桶屋が儲かる的な状況で供給不足になっているとのことです.

さいわい,当研究室では,買い置きがあるのと,値段の安いメタノールを HPLC で使うことが多いので,当面心配はなさそうです.ただし,この状況がいつまで続くか分からないので,分析のプロトコルを厳密に決めているようなところでは気が気でないと思います.

ブログテーマ「Alpha」は行端が両揃えになってしまって,ちょっと間抜けなので,「モダングランジ」に変更してみました.